もっとおまけ*2

あー、わかった。

つまり俺は、小飼氏が主張するような恋愛を「十代の恋愛」だと考えているんだな。十代はまだ子供だから、傷つけあっても仕方がない。でも、そこでいろいろなことを学ぶに違いないと考えているわけだ。たとえば、現実の恋愛では誰も幸せにならないんだ、ということをね。

問題は三十代だ。負け犬女の主張を見ると、三十にもなってまだ恋愛かよ!と思ってしまうんだな。他に趣味はないのかよ!と。お前の理想としている恋愛は実在しないんだから、いいかげんあきらめろよ、都市伝説とか、隣の芝生で夢見てんじゃねーぞ、と。本田氏をはじめとするオタクたちはそこが分かっていて、もう自分の妄想の中にしか理想の恋愛を期待していない。

ところで、結婚だ。結婚は恋愛とは違って、もっと泥臭い世界だろう。まぁ俺は結婚したことないけど。でも、姉の結婚生活とかを見ていると、それなりに実りがあるように見える。そこに恋愛はないが、かわりに家族愛を作ることができる。

それなのに、結婚にも恋愛を持ち出すやつが出てきた。恋愛結婚、そして不倫。でもよく考えてみて欲しい。結婚と恋愛、それぞれ価値基準が違う人間関係だ。けど、参加者は同じなんだ。恋愛でも結婚でもどっちでもいい目を見ようなんて、そんな理屈が通るわけがない。恋愛に染まれば染まるほど、結婚が難しく、苦しくなる。そういうものじゃないのか。

現実の恋愛にまだ夢を見たいやつは見ればいい。でも、現実の恋愛がバカらしくなったやつを引き込もうとするべきじゃないだろう。恋愛資本主義の生み出した幻想のせいで、結婚というより重要な関係が構築しにくくなっていることもある。これは社会としては大きな痛手だと思うんだけど。

もうひとつ、小飼氏の主張は、かつてのフェミニズムの方々がおっしゃっていた理想論に聞こえるわけだ。自由で安全なセクース。でもそれも理想でしかなかった。実績がないために歳をとった後のことが上手く予測できなかった。男女の性差に気づかなかったから、男性側の視点がすっぽり抜けていた。…うーん、ちょっとまとまっていないが、そういうところを修正する必要があるんじゃないのか。

さらに突っ込むと、これは宮台の受け売りになってしまうんだが、結局、女性の不満というものに対して恋愛以外の社会の受け皿がないことが問題なのかもしれないな。だから恋愛に依存してしまう。依存せざるを得ない。実は、多くの女性は自立できるほど強くなかったのではないのか。かといって、差別的な価値観を捨ててしまった今となっては、女性のわがままを許せるほどには男も強くない。まぁ分析家気取りでこんなありきたりのことを言っても仕方がないので、今日も勉強するわけなんだが。