電波男の倫理

倫理に焦点を当てることで、電波男が主張するオタクの姿をどんどん明白にしてみよう。電波男がオタクという呼び方で暗黙的に定義しているのは、実は「女の子を傷つけてはいけない、女の子を人間として扱わなければいけない」という倫理観を持った人間なのだ。そして電波男が断罪する三十女の姿も明白になる。「おたく男は傷つけてもいい、おたく男を人間として扱わなくてもいい」という倫理観を持った人間だ。

本田はしかし、自身の主張の核心が倫理でしかないことを、相手に強制できないものであることを知っている。だから、断罪するにとどめる。だから、「三十女はオタク男を傷つけるような倫理観(恋愛観)を持つな」とまでは強制しない。だから、三次元を捨てて二次元に逃避する。

この逃避は弱さではない。むしろ強さと言ってよい。そして暴力などでの表現に比べはるかに社会的だ。具体名を列挙したりはしないが、某団体などでは倫理の強制という反社会的な行為ををはじめてしまうところだ。あと某新聞社とかな。それらに比べ、本田の「傷つけない」姿勢はここでも一貫している。

本田の持つ倫理、「傷つけない、人間として扱う」という倫理に従った対人関係こそが、本田が真実の愛と呼ぶものなのだ。