キャリあね。

ヒロインを一人に絞った直球勝負の作品。ぬるい。非常にぬるいんだが、しかし最近、俺はこの手のぬるさを肯定できるようになってきた。

ぬるい、ということはつまりファンタジーに過ぎない、ということだ。だが、それこそがエンタテイメントに必要なものであるし、また何がファンタジーであるのかを抜き出すことで見えてくるものもあるんじゃないのか。

  • 好きだから別れることもある、なんていうのは、現実においては体のいいファンタジーに過ぎない。
  • 努力すれば社会的に報われる、というファンタジー。ハッピーエンドには社会的成功が不可欠なの? 社会的に成功できる人間は現実的にはほんの一握りだ。作品内で幸福と社会的成功を結び付けてしまうことは、読者に無力感を与えるだけなんじゃないの?