ハーレムキャッスル

ハーレムキャッスル (二次元ドリーム文庫)

ハーレムキャッスル (二次元ドリーム文庫)

これは結構前に買ってたんだが、書くタイミングを逃していたので今書く。著者は竹内けん。名前覚えたぞ。

ええっと、まずこの作品について軽く説明させてもらおう。まず、全編通して、固有名のある女性が6人出てくる話ってところ。そして主人公は十代も半ば、まだ幼さが残る少年だと思いねぇ。その主人公がある日突然王位継承者になって、今までの質素な生活から一変、豪華な宮廷暮らしが始まるって寸法ですよ。当然専属メイドが付きます。三人の、ハイティーンからローティーンまでのタイプの違う美少女が。その上メイドたちは主人公がお気に入り!

…こうくれば、大体筋も読めるってもんじゃないですか。二次元ドリーム文庫ですよ?一冊全体で5章程度、一章は状況説明ということで軽く流して、あとは一章につき一人のメイドとエッチ、最後は4Pで全メイドと…てな感じ。そうそう、最初に6人の女性って言ってたから…あとは母親と、メイド長のおばちゃんと。まぁそんな感じかな。そこで下手にかわいい女の子を出すと、読者はその子のえろシーンも見たくなっちゃうけど、入れられるエロシーンの量も限られてるからなぁ…と、そう考えるのが人情というものです。

ところが竹内は違った!

6人の女性、残りの3人は、幼馴染のお姉さんの女騎士、義理の母親である女王、女王の腹心で才女のメイド長。こう配置してきたわけですよ。二十代後半から三十にかけてのお年頃で。じゃあエロシーンはどうなったかって? ええ、ちゃんと三人分ですよ。三人分。メイドの三人娘のエロシーンがないんです。前戯で終了なんです。挿入しないんです。

ティーンのメイド三人娘を噛ませ犬扱い!

これは感動したね。いやいや、年上のお姉さんと若い少女を対にして出す、これポルノ小説ではごくごく一般的手法。ただ、たいていの場合、まずお姉さんで主人公の童貞少年に経験を積ませて、その後少女をメインに据えて攻略、となるのが一般的なわけ。義母モノみたいな、年上の女性であることを売りにした作品であってさえ、このルールが適用されることがしばしばある。三十とかのオバサンより十代の少女のほうがいい。そういう強力な暗黙の了解があったわけだ。ところが竹内はまったく逆を行った。ティーンのメイド三人娘という存在を、あくまでおねぇさん三人との比較対照としてのみ使ったわけ。

これね、俺みたいな年上スキー、お姉さんスキーにしてみると、非常に胸のすく話なんだな。今まで何度も煮え湯を飲まされてきたんだよ。作品中においしいお姉さんを出されながらも、ヒロインは全く別の若い女子高生だったりして、結局そっちかよ!みたいな、さ。

年上スキーなら間違いなく買い、だ。